むかごに関する情報まとめ【味、下処理、あく抜き、栽培方法など】

むかごの味

むかごとはどんなものかご存知ですか。
テレビ番組の鉄腕ダッシュで採取し、調理している場面を思い出す方もいるかもしれませんね。

むかごは、ヤマイモの茎が肥大化した付け根にできる肉芽のことです。
むかごの旬はヤマイモと同じ10月から11月ごろです。

スーパーなどで販売されることはほとんどないため、身近な食材ではありませんが、貴重な山の幸として親しまれているものです。
昔から親しまれている山の幸で、美容や健康に役立つ栄養素が豊富です。

消化酵素のアミラーゼ、成長ホルモンの分泌促進や免疫力を高めるアルギニン、新陳代謝促進効果などがあると言われています。
味はヤマイモと同じ感じで、クセのない食べやすい味です。

むかご特有の風味はマヨネーズに似ていると言われています。
歯ざわりがよく、少し苦味のある皮と粘りがあってほっこりとした芋のような食感がむかごの味です。

芋と栗の間のような素朴な味がするなどと表現される方もいます。

むかごの毒性

むかごができる植物は、ヤマイモのほかナガイモ、オニユリ、ノビル、ニンニク、タマブキ、ムカゴイラクサ、ムカゴトラノオなどに形成されます。

一般的に食されるヤマイモ、ナガイモのむかごには毒性はありません。
しかし、むかごの中でもニガカシュウやオニドコロと呼ばれる植物のむかごには毒性があります。

全てのむかごが食べられるわけではないので、注意して下さい。
ヤマイモやナガイモのむかごは苦味がありませんが、ニガカシュウのむかごがとても強い苦味があります。

苦味を感じるむかごは間違っても食べようとはしないで下さい。

むかごの食べ方・皮

むかごは小さいので、皮をむいて食べようとすると、ほとんど実がなくなってしまうのではないかと思うほどで、皮をむくのは大変です。

むかごはキレイに洗えば、皮をむかずにそのまま食べることができます。
しかし、皮にはごぼうに似た感じの土臭い強い香りがあります。

この風味が苦手という方も少なくないようです。
そんな強い香りが気になるようであれば、すり鉢にむかごを入れて、軽く手で転がすと皮がむけ、土臭さを減らすことができます。

また、皮つきのまま塩茹でして、ぶどうを食べるようにすると、皮を食べずに実だけを食べることができます。

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むかごの下処理

炊き込みご飯や素揚げで食べることが多いむかご。
皮をむかず、丸のまま食べるのが基本です。

特有の香りはこの皮や皮と実のまわりにあるので、むいてしまうのはもったいないです。
汚れや細かいゴミを落とすだけで十分です。

ボウルなどに入れてたわしでこするか、すり鉢に入れて転がすのが便利な方法です。
一度にたくさんのむかごを洗おうとするとうまくできません。

一度に20粒くらいを目安に洗って下さい。
さっと洗ったむかごをすり鉢に入れ、その中にむかごがかぶるくらいの水を入れます。

そして、手ですり鉢の溝にむかごをこするように優しくコロコロを洗います。
水が茶色に濁ってきます。

そのあと、水を入れたボウルに移し替え、何度かむかご同士を優しくこするようにして洗います。
これで下処理は完了です。

すり鉢がない場合は、ボウルの中に金属製のザルを入れて、すり鉢と同じように下処理をします。

むかごのあく抜き

むかごには独特の土臭さとえぐみがあります。
あく抜きをすることで、青臭い香りが弱くなり、えぐみも少なくなり、食べやすくなります。

洗ったむかごを沸騰したお湯に入れ、1分ほど湯通しします。
湯通ししたら、ザルに取り、水をはったボウルに入れ、粗熱を取ります。

粗熱が取れたら、しっかりと水気を切ります。
これであく抜きは完了です。

あく抜きをしたら、煮物にしたり、炒めたり、揚げたりといろんな料理にアレンジできます。

むかごの芽出し

むかごを種いもにして、ヤマイモを育てることができます。
むかごは1年育ててから種いもとして使うことができるようになります。

むかごから育てた種いもは定植前に芽出しをする必要があります。
種いもを70~80gに分割し、トロ箱に砂かおがくずをいれ、分割した種イモを埋めて、軽く湿る程度に水を与えます。

30日ほどで芽が出てきます。
芽が出てきたら、他の芽をからみあう前に定植します。

自然薯のむかごの芽出し

自然薯もむかごができます。
この自然薯のむかごから自然薯を育てることができます。

芽出しの方法は、ヤマイモの芽出しと同じ方法です。
むかごそのままで芽出しをすることはできません。

1年自然薯のむかごを育てて、種いもを作ります。
そして、ヤマイモを同じ方法で芽出しをします。

いきなりむかごだけを定植しても、自然薯は育ちません。

紫山芋のむかご

紫山芋は、沖縄県宮古島で採れる中が紫色をしている山芋です。
ミネラル豊富な弱アルカリ性の土壌を持つ、宮古島特有の山芋です。

山芋の中が紫色をしているだけで、食べ方は普通の山芋と変わりません。
粘りもあり、とろろにして食べるのが一般的です。

彩りのよさが好評となっている宮古島特有の紫山芋ですが、山芋なので、むかごも出てきます。

紫山芋のむかごは中が紫色ではなく、普通の山芋と同じように白い色をしています。
毒性もなく、普通一般的なむかごと同様、炊き込みご飯や素揚げ、塩茹でなどで食べることが多いです。

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むかごの茹で時間

むかごは茹でる前に下処理、あく抜きをしておきます。
さっと洗ったむかごをすり鉢に入れ、その中にむかごがかぶるくらいの水を入れます。

そして、手ですり鉢の溝にむかごをこするように優しくコロコロを洗います。
水が茶色に濁ってきます。

そのあと、水を入れたボウルに移し替え、何度かむかご同士を優しくこするようにして洗います。
これで下処理は完了です。

次にあく抜きです。
あく抜きをすることで、青臭い香りが弱くなり、えぐみも少なくなり、食べやすくなります。

洗ったむかごを沸騰したお湯に入れ、1分ほど湯通しします。
湯通ししたら、ザルに取り、水をはったボウルに入れ、粗熱を取ります。

粗熱が取れたら、しっかりと水気を切ります。
これであく抜きは完了です。

下処理、あく抜きをしたむかごを茹でていきますが、むかごの茹で時間はまちまちです。
一般的なむかごの大きさは1~2㎝ほどですが、それより大きなものや小さなものとさまざまです。

また育った環境により、固さもまちまちです。
そのため、茹で時間もそのとき手に入ったむかごにより異なります。

目安としては2~3分ほどですが、2分たったら、一粒取り出して、竹串を刺してみましょう。
竹串がスーッと通ったら、茹で上がりのサインです。

むかご真丈

真薯と呼ばれる日本料理の一つです。
真丈、真蒸などと表記されることもあります。

むかご真丈は、むかごに塩を振って、蒸して柔らかくします。

さらに白身魚のすりみと合わせて蒸します。
蒸しあがったら、薄く切ってそのままおつまみにしてもいいですし、揚げたり、焼き物にしたり、前菜の付け合わせにしてもいいです。

むかごのほろ苦さと淡白な白身魚の風味を合わさり、秋を感じる一品となります。

むかごご飯は苦い?

むかごはホクホクとした食感が好まれますが、皮にはごぼうに似た感じの土臭い強い香りがあります。
この風味が苦手という方も少なくないようです。

そのため、むかごご飯にすると苦いと感じる方も少なくないようです。
そんなむかごご飯の苦味を抑えるには、下処理が大切です。

むかごは皮のまま食べることができ、皮のまわりの風味が強いです。
そのため、ご飯と合わせると少し土っぽい香りが出ることもあり、その香りを苦味と感じることがあります。

むかごご飯にする前に、すり鉢の中で、手のひらを軽く押し付けるようにして、ぐるぐると転がして、皮の表面を軽く落とすといいです。

むかごとじゃがいも

まれに、育てているじゃがいもにむかごができることがあります。
じゃがいもの茎に小さな実のようなものができます。

じゃがいもだし、食べられるかななんて思いますが、じゃがいもの新芽には毒が含まれているので、食べるのは控えたほうがいいです。
じゃがいもでポテトサラダを作ることが多いですが、むかごとじゃがいもでポテトサラダを作ってみてもおいしいですよ。

塩茹でしたむかごをマッシュしたじゃがいも、薄切りにした玉ねぎと合わせて、オリーブ油、酢、粒マスタードで味つけして下さい。
じゃがいもとむかごのホクホク感の違いを楽しみながら食べられるポテトサラダになります。

むかごとつる

むかごの形は、実にも見えるし、芽のようにも見えます。
むかごとは特定の植物のことを指すものではなく、植物のある部位のことを指す言葉です。

つる性の植物の茎が伸びていき、つるができます。
さらにそのつるが枝分かれして、たくさんの葉をつけます。

このつるが枝分かれした部分や葉の付け根にできる小さな豆のようなものがむかごです。
むかごでも食べられるものと食べられないものがあります。

ヤマイモや自然薯のむかごは食べられるものです。

おかわかめのむかご料理

おかわかめと聞くと海藻のわかめの仲間かと思われる方もいるかもしれません。
おかわかめはツルムラサキ科アカザカズラ属の植物で、熱帯アメリカや熱帯アジアに自生しています。

海藻ではなく、れっきとした野菜になります。
なぜおかわかめと呼ばれるかと言えば、茹でた葉は、黒くぬめりがあって、わかめとそっくりな食感になるからとも言われています。

おかわかめにもむかごができることがあります。
おかわかめのつるか株の根元にイボのような丸いものを見つけることがあります。

これがおかわかめのむかごです。
ヤマイモのむかごのように丸いものもあれば、でこぼこしていていびつな形のものもあり、大きさや形はさまざまです。

おかわかめのむかごは食べることもできます。
粘りもあり、ヤマイモのような食感です。

ご飯にしたり、炒めたり、揚げたりとさまざまな調理法で食べられます。

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おかわかめのむかごの芽が出ない?

おかわかめはむかごから育てることができます。
栽培前年の秋に収穫したむかごを翌年春まで保存しておきます。

春になったら、土の上に置いておくだけで発芽します。
勝手に芽が出て、土に根を張っていくので、特別なお手入れもいりません。

丈夫な植物なので、芽が出ないことはまずありません。
しかし、複数のおかわかめを育ててみると、発芽が遅いものがあります。

おかわかめはつるを伸ばす前に根を充実させようとするため、株によっては発芽が遅いものがあります。
根がダメになっていない限り、ちゃんと芽は出てきます。

むかごの8月の状態は?

むかごの収穫時期は秋です。
むかごは丸くなっているので、実か種かと思われがちですが、そのどちらでもありません。

茎の一部が丸く太ったものなのです。
では、8月のヤマイモやそのむかごはどのような状態になっているのでしょうか。

ヤマイモは8月になると白い小さな花を咲かせます。
その花の下に提灯のようなものができてきます。

これがヤマイモの実なのです。
そして、その実は2月ごろになると枯れて中から種ができます。

この種からも新たなヤマイモが育ちますが、薄くて軽いのであまり養分はありません。
ところが、むかごには養分がたくさんあり、そのまま地面に落ち、春には新しい芽を出します。

むかごの葉っぱは食べれる?

ヤマイモはつる性の植物なので、ツルが伸びるとともに葉も茂っていきます。
たくさんの葉があるので、むかごは食べられるから葉も食べられないかなと思われる方もいるかと思います。

辺見金三郎著「食べられる野草」では、ヤマイモの葉の利用方法が紹介されています。
天ぷら、和え物、油炒めなどで食べられ、アクやクセもなく、おいしくいただけるようです。

むかごのぶつぶつ

むかごの中でも金平糖のようなぶつぶつがあるものがあります。
これが自然薯とよく似ているニガカシュウのむかごです。

ニガカシュウにできるむかごは苦味が強く、毒性もあるので食べることができないので注意して下さい。
自然薯とニガカシュウの見かけ方のポイントです。

自然薯は、葉が尖った細長いハート型をしていて、茎に対生しています。
また、むかごは葉の根元にできるので、葉脈に対して2つできます。

一方、ニガカシュウの葉もハート型をしていますが、茎に互生しています。
そのため、むかごは葉脈に対して1つしかできません。

茎についているむかごはこのように見分けることができますが、落ちているむかごを見分けるのには注意が必要です。
金平糖のようなぶつぶつがあるむかごは、ニガカシュウのむかごである場合が多いので、十分に気をつけて下さい。

むかごはまずい?

むかごはクセがなく、芋や栗のような食感でおいしいと言われます。
しかし、時折まずいむかごがあります。

そのまずいむかごは、毒性があり、食べると強い苦味を感じるニガカシュウのむかごを食べてしまったからではないかと思います。
一般的なむかごは少々土の香りが気になることもありますが、まずいというほどでもありません。

しかし、ニガカシュウのむかごは、苦味が強く、とても食べられるようなものではありません。
そのため、間違ってニガカシュウのむかごを口にしてしまったら、むかごはまずいものとインプットされてしまったのかもしれません。

むかごの保存栽培

むかごは秋に収穫して保存し、翌春に栽培することができます。
秋に収穫したむかごはそのまま放置しておくと、乾燥してシワシワになってしまい、翌春に栽培することができなくなってしまいます。

また、湿度の高い場所に置いておくと、カビが生えてしまいます。
収穫したむかごは、おがくずやもみ殻を入れた段ボール箱に埋め込みます。

風通しがよく、直射日光の当たらず、温度が高くならない場所で保存します。
霜の心配をしなくてもよくなったころ、5月くらいになったら植え付けをします。

ヤマイモは長さがあるので、深さ30㎝以上ある容器か直接地面に植え付けます。
丈夫な植物なので、特別なお手入れは不要ですが、乾燥には弱いので、土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えて下さい。

むかごは庭で栽培できる?

むかごは、里山には自生しているものも多く見られますが、庭でも育てることができます。
健康にもいいヤマイモは、丈夫な植物なので、特別なお手入れもなく育っていき、秋にはむかごができているということがあります。

始めの年はむかごだけ収穫できて満足という感じになることが多いです。
次の年になると、地中で養分を蓄えたヤマイモから芽が出てきて、地中に大きなイモができます。

さらにむかごの収穫量も増えます。収穫できず、落ちてしまったむかごもたくさんあります。

3年目の春になると、落ちたむかごのほとんどが芽を出しているはずです。
そうなると大変です。

すぐに伸びてくるヤマイモのつるとの闘いになります。
ほどほどの量のむかごの量にしたいときは、とにかく秋にしっかりと収穫して、落ちたものも拾っておくことが大切です。

むかごの根っこ

丈夫で生長の早いヤマイモは、春が過ぎるとすぐにつるが伸びてきます。
それだけ生長するのは、根っこが地中でしっかりと根づいているからです。

ヤマイモの収穫時期に地面を掘ってみると、驚くことがあります。
たくさんのむかごが収穫できるヤマイモのつるの下は、ヤマイモよりひげ根がびっしりと生えていることも少なくありません。

地上のむかごを生育させるため、地中からしっかりと養分を吸収するためには、それだけの根が必要になるようです。
また、むかごが採れ過ぎてしまうことも少なくないようです。

ヤマイモの生育が早いので、つるが伸びてくるからです。
伸びてきたつるを切るだけでは追いつかないほどです。

むかごが採れ過ぎてしまうときは、根ごと取ってしまわないと効果はありません。
それだけ丈夫で生育が早いのです。

むかごの栽培方法

むかごを種イモにしてヤマイモを栽培することができます。
9月下旬から11月にかけてむかごを収穫します。

収穫したむかごは春までもみ殻やおがくずを入れた段ボール箱に入れて保存しておきます。
春になり、平均地温が10℃以上になる4月中旬を目安にして植え付けをします。

ポットに1粒ずつ入れて植え付けます。
芽が出て、つるが伸び始めたら、畑に定植します。

秋になると、地中にはヤマイモができ、つるにはむかごができます。
乾燥には弱いので、土が乾いたら水やりを欠かさないようにします。

肥料は植え付ける2週間ほど前に苦土石灰を入れて耕し、7月中旬くらいに追肥するといいです。
肥料は化学肥料、化学農薬には弱いので、極力使わないようにするといいです。

むかごの収穫は葉が黄色くなってきたころはまだ早いです。
つるが完全に枯れてからが収穫時期になります。

むかごもどき

むかごができるのは、ヤマイモ、自然薯などにできます。
これらのむかごは食べられるものですが、むかごもどきとして毒性があり、食べられないむかごがあります。

「オニドコロ」「ニガカシュウ」「カエデドコロ」などです。
これらの食べられないむかごは葉の形やつるの巻き方などに違いがあります。

よく見て、判断することが大切です。
ヤマイモは、先端がとがっている縦長のハート型に葉をしていて、葉は対生しています。

つるは上からみると反時計回りに巻いています。
またむかごのつく場所が葉のわきにつきます。

このことをしっかり覚えておいて、むかごを見つけたときに区別するようにして下さい。

むかごを売ってる場所は?

むかごは一般的なスーパーで見かけることはほとんどありません。

収穫時期の9月中旬から11月初旬にかけて、道の駅や直売所で見かけるくらいです。

最近では通販で販売されているので、収穫時期にサイトを調べる方法もあります。

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