牡蠣のあたる症状・軽い
「海のミルク」と言われ、栄養豊富な牡蠣ですが、牡蠣には食中毒の危険性も潜んでいます。
牡蠣にあたるといわれる原因には、冬季によく流行するノロウイルスによる感染もあります。
ノロウイルスは、牡蠣、アサリ、シジミ、ハマグリなどの二枚貝の内臓に潜んでいる、とても小さなウイルスです。
軽い症状の場合は、自覚症状がなかったり、軽い腹痛や倦怠感などの風邪のような症状であったりすることも少なくありません。
牡蠣のあたる症状・うつる
牡蠣による食中毒の原因は、ノロウイルスであることが多いです。
このノロウイルスは食べた人だけは発症するのではなく、他の人へ感染することが少なくありません。
ノロウイルスは感染力がとても強いため、人の手を介して、他の人に感染を広めてしまうことが多いです。
ノロウイルスが大量に含まれる嘔吐物や便を触れた手を介して感染する「接触感染」、嘔吐物の飛沫が乾燥して、空気中に広まり、それを吸い込んで起こる「飛沫感染」で簡単にうつってしまいます。
周りに「牡蠣にあたった」と言われる人がいた場合、ノロウイルスによる症状である可能性があります。
十分な手洗いをして、うつらないように注意することが大切です。
ノロウイルスは、しっかりと加熱することで感染を防ぐことができます。
85~90℃で90秒以上加熱することでウイルスは死滅します。
しかし、しっかりと加熱しているから大丈夫というわけではありません。
調理で使った器具にノロウイルスが付着していて、ウイルスに汚染された器具が十分に洗浄、消毒されていないと、その器具から感染してしまうことがあります。
調理過程での器具の消毒、手洗いなどの対策が重要です。
牡蠣のあたる症状・検査
牡蠣を食べたあと、突然激しい嘔吐、下痢、腹痛といった症状があらわれたら、ノロウイルスに感染している可能性があります。
ノロウイルスの感染が疑われる場合は、医療機関への受診をおすすめします。
受診した場合、便を使っての簡易検査を行うことが多いです。
抗原抗体反応を調べる簡易検査なので数十分ほどで結果は分かります。
さらに調べる場合は、遺伝子検査を行います。
これは検査結果が出るまで、1日~1週間ほどかかりますが、ウイルスの量が少なくても検出できる検査です。
普段の生活をしている場合は、簡易検査で感染を確認しますが、調理、保育、介護の仕事に従ずる人は遺伝子検査を行い、陰性になってから職場復帰となります。
牡蠣のあたる症状・頭痛
食べた牡蠣にあたったのだから、腹痛、下痢、嘔吐などのお腹の症状だけかと思われがちですが、発熱、頭痛、筋肉痛、咽頭痛といった風邪に似た症状も多く見られます。
同じ牡蠣を食べても、その人によって症状には差があるので、注意して下さい。
牡蠣のあたる症状・治療
牡蠣にあたった場合、原因と考えられるノロウイルスには、インフルエンザのような特効薬はありません。
対処療法しかないのです。
基本的には安静にして過ごすことしかありません。
脱水を起こしやすくなっているので、安静にし、湯冷ましやスポーツ飲料で水分を補給します。
繰り返す嘔吐や下痢で脱水症状が見られる場合は、点滴による補液治療も行います。
ノロウイルスによる食中毒の場合、平均して48時間ほど症状が続くことが多いです。
症状に合わせ、整腸剤や解熱剤が処方されます。
しかし、下痢が続くからといって、自己判断で下痢止めを飲むのは逆効果になるので、注意して下さい。
感染しているウイルスを体外に出し切ってしまわないと症状が改善しません。
下痢止めを服用することで、かえって症状を悪化させたり、長引かせたりしてしまうことになります。
ひどい嘔吐、下痢に悩まされることも少なくありません。
水分補給を意識して、安静にしていることで2~3日すると徐々に回復していきますが、血便が出る、意識がもうろうとなってしまう場合は、重症化しているので、すぐに病院へ受診して下さい。
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